2014.08.15-17 三木浦滞在=尾鷲に通う(追記)
往航時に寄った時、食事は軽食だけだがこの町に一つだけある喫茶店で食べることが出来るよと弓削さんから聞いたので行ったら閉まっており、昨日もしっかり確認して行ったのにやってなかった。
食事と風呂と洗濯は沿岸を長く航海している者にとっては切実な問題で、寄港地を選ぶときの重要なポイントなのだが、航海しない人にはわかってもらえないようだ。そりゃそうだ、自分の家にはお風呂も洗濯機もあり、食事を作ってくれる人だっているだろうし…。
それで、三木浦滞在中は毎日尾鷲に通うことにした。洗濯は桟橋の近くに水場があるのでなんとかなる。
停泊している桟橋から歩いて数分のところにバス停があり、0652,0952,1342,1722の4便あり小一時間で尾鷲に着いて、帰りは19時ちょっと前に尾鷲を出るバスが最終でその前のバスが16時ちょっと前だから日中暑い時間に尾鷲で過ごして三木浦に戻るには都合が良い。このバスは三重交通が運行しているコミュニティーバスで「ふれあいバス」といい、八鬼山を越えて尾鷲に行くのだという。うーん、九鬼があると思ったら八鬼があったか…。それなら三鬼もあるのではと思って調べてみたら、昔、三木浦に三鬼新八郎という豪族がいたのだが、新宮の堀内氏善と九木浦の九鬼嘉隆のグループに滅ぼされてしまったということがわかった。やっぱり九木浦には悪い奴がいたか…納得だ~。
15日は0952のバスでまず尾鷲港まで行ってヨットが停泊できる岸壁をチェックしたが、巡視艇が常駐している突堤の反対側はまるでゴミの吹き溜まりのようだった。尾鷲にヨットを廻してもいいかなと思ったのだがその気は無くなった。
観光案内所に立ち寄り、帰りに乗るバス停の場所と時刻、そして港のそばの銭湯「新生湯」の位置をチェックしてから、とにかくどこかで涼みたいので観光案内所のすぐそばにあった「セルフ」という名前のレストランに入った。セルフサービスの店のような名前なのでまったく期待してなかったのだが、セルフサービスの店ではなく雰囲気も良く地元のお客さんに人気の店だとわかり安心して昼食をはさんで長居させてもらった。
レストランを出て新生湯に行き何時からですか?と聞いたら、3時からだけど急ぐなら早めに入れてあげるよと言われた。おじいちゃんとおばあちゃんの二人でやってるようだった。本当なら尾鷲でお風呂と夕食を済ませてから三木浦に戻りたいのだがそうすると最終バスになり、それでは遅すぎる気がして、なんだか悪いなと思いながら一番風呂を使わせてもらった。せっかく尾鷲に来たのだが夕食はコンビニでお弁当を買って帰った。
16日も同じ時間に尾鷲に行ったが、今度は図書館を見つけて過ごした。お昼も図書館のそばにあったイタリアンに入った。お風呂は昨年行って感じが良かった五月湯に行った。こちらは新生湯よりもこぎれいにしていておかみさんが湯上りに冷たい水をどうぞとサービスしてくれた。よく冷えたおいしい水だった。この日はセルフで夕食を食べて最終バスで帰ったのだが、お盆期間中で最終バスが果たして来るのかどうかちょっとした賭けだった。三木浦の最寄りの駅は九鬼駅か三木里駅で、どちらにもタクシーがいないので、最終バスに乗れなかったら尾鷲でホテルに泊まるしかなく、まあそれもありかなと思ったが、ちゃんとやってきた。
17日は少し早めに9時のバスに乗ったのだが、バス停には7時ごろからベンチに座ってたお年寄りが一人いてその人と一緒だった。たぶん0652の一番バスに乗れなかったのだろう。陽射しが強く屋根もない停留所でなんと2時間もベンチに座ってバスを待っていたのだ。どのような事情があるのか知らないがものすごい忍耐力だ。話しかけたら笑顔で尾鷲まで行くと答えてくれた。腕の入れ墨が印象に残った。
このバスはハラソ線という言い、三木里で尾鷲行のバスに乗り継ぐと書いてあったので何も心配してなかったのだが、三木里駅には入れないので駅下で降りてくれと言われ、尾鷲行のバスは20分後だと言われた。それじゃ乗り継ぎじゃなくてただの乗り替えじゃないかと思ったが、文句を言っても始まらない。乗客は途中から乗ったおばあちゃんを入れて三人だったがみな困った様子でこの炎天下どうしようという顔をして立っていた。なんでも今日は花火大会がありバスが高速に乗れないので三木里駅まで行けないのだ…と言うようなことを運転手が言っていたが、バスが花火と高速と三木里駅にどう絡むのかさっぱりわからなかった。近くに自動販売機もなく飲み物も買えない。困ったなと思ってたらさっきのバスが戻ってきて、暑いので次のバスが来るまでこのバスに乗って待ってていいですと言ってくれた。見るに見かねて戻ってきたようで待ってる間エヤコンもかけてくれた。結局尾鷲に着いた時間は前日とあまり変わらなかったので、大変な思いをしただけで一本早いバスに乗った意味は何もなかったのだが、地方の人たちの人情にちょっと触れることができたような気がした。
尾鷲について、朝食がまだだったので前日入ったイタリアンレストランに入ってピザとコーヒーを頼んだ。店のおばさんは前日は熱心に話しかけてきたのだがこちらの返事がそっけなかったのか、もう話しかけてこなかった。その後、図書館に行って前日見つけて途中まで読んだ中上健次の本を読もうと思ったのだがあいにく休館日だった。しかたないのでイタリアンレストランの隣にあった床やさんに入って髪を切ってもらった。いつもは美容院に行っており床屋に行くのは何十年ぶりかでちょっと心配だったが、先客が5人待ってたのでこれは人気の床屋なのだろうと思ったが、予想通りだった。マスターと話をしてたら今日は熊野の大花火大会で、ヨットで来てるのなら、賀田港の賀田駅前の岸壁に泊める場所があるのでそこに泊めて電車に乗って花火を見に行けと熱心に勧めてくれた。これも縁なのでそうしようかなと思った。
図書館が休みなので行くところが無くなった。駅周辺を探索したが道路の照り返しもあり暑くてとても歩いていられない。ヨットで走ってる方がよっぽど楽だ。お昼はどこに行こうかと思ったが結局レストランセルフに行った。比較的大きな店で長居できるのだ。
天気予報をチェックしたら前線は18日まで本州に留まってるものの風は少し弱くなっており、五ケ所湾のVOC志摩ヨットハーバーに行くには問題なさそうなので電話を入れてみたら予約が取れたので行くことにした。
昼食後新生湯に行ってまた一番風呂を使わせてもらって16時前のバスで三木浦に戻った。床屋では花火に行くつもりになってたのだが、考えてみると一人で花火というのもなんだか侘しい。加賀駅前に停泊するというのはひとつの経験として魅力があるのだが、明日五ケ所湾に行くのならおとなしくしてようと思って取りやめた。

